テック系インフルエンサーの記事やブログを見るとSESはブラックだからやめとけと語る人を多く見ます。でもそれって本当なのでしょうか?
SES+やめとけで検索すると皆さん地獄だとかやめておけという意見で統一されています。そんな中、実際に入社して働いた経験のある現役エンジニアの私が語ります。
SESをよく分からずに避けてない?
SESとはシステムエ・ンジニアリング・サービスの略です。
SESは何をするのかというと要は客先常駐の事で、自社には基本帰らず年中どこかの会社に行って働く形態のことです。ITで多い会社がこのSESなんですね。
募集要項を見ると勤務地が自社だけでなく様々な場所を書いている会社がだいたいそうです。
テック系のインフルエンサーがよく煽っているのが
- 未経験はSESは避けて自社開発を目指すべき
- SESに入ると低レベルな案件ばかりで技術が身につかない
- 未経験はまずWeb系に入り技術をつけてフリーランスになるべき
だいたいこんな感じのことを言っていると思います。
こういう発言を見たりして未経験の人はSESはやばいで脳死してるのでしょう。
SESはやめとけ説を経験とともに考えます
この記事ではSESでの仕事経験のある私が実際に体験した仕事内容をまとめたのと最後に未経験の方と現役の方向けにおすすめできるか出来ないかを考えてみました。
私がSESに入ったのはエンジニア歴5年ほどしてからです。
そこから入社しての内容ですので参考にしてください。
SESの仕事内容と労働時間について
SESに入社した私は数日自社で説明と研修らしきものを済ませてすぐ某家電メーカーの会社で客先常駐となりました。その会社では海外向けのシステムを作るチームの一人となり設計や開発を一通りしました。
経験者ということもあり作業内容を聞きそのとおりに作業していました。ポジションでいうとSE寄りのプログラマーといったところです。普通に開発をしていたのでvb.net、C#、Java、PHP一通り経験しています。
私の場合はSESだけど設計や開発の経験が積めたのでプラスかなと思っています。しかし、SES会社によっては延々テストだけとか資料を印刷してホッチキスで止め続ける係とかスキルとは無縁の仕事をさせられる場合もあるみたいです。
こういうハズレの経験をしている人がSESはやめとけとブログとかで書いているのでしょう。一言でSESといっても無数に会社があるので全部同じでやめとけとは私は思いません。
ちなみに残業はほぼありません。
その理由としてSESは出向先の勤務形態に合わせて動きます。水曜は早帰りの日ならその通り6時に帰らされ、夏休みが1週間あればそのとおり1週間は休暇となります。
この辺りは行ってる先の会社に労働条件が合わせられるのでホワイトですね。
私の場合はよっぽど作業に遅れが無ければほぼ定時で帰宅していました。
SESは給料が安い!!でも仕方ない
次に給与面ですが、給与はそれほど高くありませんでした。
残業が無ければ手取りは20万円代後半くらいです。手取りが一気に増えるということもベンチャーなどと違いまずありません。
理由としてSESの業務形態は月に一人が稼げる金額は固定で決まっているため、その中のいくらかが給与となるためです。よっぽど会社に媚を売って会社の営業部門に移るか5人くらい新人を引き連れてチームをまとめるくらいをしないと評価されません。
でもそのあたりのスキルがあれば転職した方がよっぽど稼げるでしょう。
SESで出向すると客先ではどんな扱い?
客先常駐を受け入れる企業は大手が多いので大多数は普通の扱いです。むしろ普段からお互い敬語で下に扱われるみたいなのはなかったです。これもよっぽど変な会社に当たらない限りは拍子抜けするはずです。
しかしどこまでいっても他社の人扱いはあるので、それが嫌という人もいるのは事実です。私はあまり気にしないタイプなので割り切って仕事ができる人ならむしろ働きやすいかもしれません。
あとは一人で行くことは少なく何人かのセットで入ることが多いです。困ったことがあればリーダー的な人に泣きつけば大抵なんとかしてくれます。普通に仕事をしていれば責任うんぬんは言われないのでそこは楽な部分です。
SESは技術がつかないのは本当?
これもSESの会社によるかなと思います。冒頭に書いた私のしていた仕事内容みたいに普通に開発をする場合もあります。逆に延々テストみたいなところもあるのは事実です。
そんなことを言ってもほぼ未経験の時にSESの良い悪いなんて見分けがつかないですよね。私がいい見分け方を教えましょう。
ググってください。。
会社名+評判とか会社名+ブラックとか思いつくキーワードで調べるのです。激ブラックのSES会社はこれで回避できます。普通のSES会社なら未経験の方には経歴をつけるいい場所になるはずです。
会社によっては資格試験を受ける際に補助を出したり報奨金をくれるところもあります。あとは面倒と思うかもしれませんが、定期的に勉強会をしている会社もあります。未経験の人は正直贅沢を言ってられません。少しでもスキルアップする可能性がある会社を探しましょう。
ハングリーさで入ったSES会社はいい意味で踏み台にしてやるくらいの向上心を持った方がいいです。
SESは当たり外れがあるのも事実
ここまで色々SESについて書きましたが、結局のところ会社は客先常駐の行き先による環境で当たり外れが決まります。他の人も言ってますが本当にガチャ感覚でしょう。当たりならテストから開発まで一通りの経験をさしてくれるところもあります。
ハズレは激務でスキルがつかない仕事ばかり・・
でも未経験の人はこのガチャに手を出さないと選択肢はかなり狭くなります。
結局のところSESはやめておくべき?
ここまで私がSESで体験した内容を語りました。
結局のところSESはいいのか悪いのかという結論に入ろうと思います。
この結論は経験者と未経験者に別れます。
経験者はSESに入るメリットは全くない
SESの仕事スタイルはぶっちゃけ言えばフリーランスで客先常駐の案件をしているのと同じです。
でもSES経由で入るかフリーランスで入るかでもらえる金額は全く違います。
SESで月20~30万程度でしたらフリーランスなら月50万~も十分狙えます。
フリーランスの場合は税金等は全て自分で払わないといけませんが、それを差し引いても収入にかなり余裕が出てきます。
何らかの言語を数年経験しているエンジニアならフリーランスとして案件を取れるか単価はどれくらいのものを狙えるか市場調査を行うべきです。
転職でもフリーランスでも収入UPを狙える立場なのにSESに在籍しているのは機会損失です。
ITエンジニアは自主的に動かないとかなり損をします。
経歴があるのに動かないと年収ベースで数百万円は変わってきます。
未経験なら贅沢は言えない立場です。。SESでも選ぶべき
未経験の人がまずIT業界に入るために苦労するのが転職活動です。
業界未経験で採用してくれる会社はあなたが想像しているより遥かに少ないです。
そんな状況にも関わらず
「エンジニアになるからにはSESは絶対避けてスタートアップに入りたい」
「SESに入るぐらいなら技術を磨いて受託企業を探す」
こういうことをつぶやいている人を見かけます。
実際転職活動をして現実を知ることになるかと思いますが、未経験の人は受託企業ではほぼ門前払いです。
IT業界は入り口の門戸が本当に狭いです。
その中で未経験でも入れる会社というのは本当に貴重です。
ITエンジニアになれば月収100万以上とかリモートワークで自由な働き方とかの煽りを本当に信じていくのは危険です。
未経験なら自分達は狭い可能性の中で挑戦しているのだと心がけてください。
ただしIT業界に入ることができれば経歴を積むことにより逆に仕事を選べる立場になります。
始めは本当に修行だと思って挑んでください。
あとは現在の仕事をいきなり辞めてプログラミングスクールに通ってITエンジニアを目指すのもおすすめできません。
退路を断つという意味でやる気が出るかもしれませんが、想像していたものと違ったりした時がかなり悲惨な事になります。
最近ではが仕事を続けながら学習するコースを新設しています。
仕事を続けながら学習は相当にハードですが、今の時代を考えると選択肢としてありです。
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